ミロ展--日本を夢みてについて
民藝、書、やきもの、郷土玩具
ミロが魅せられた日本の美とは?
現代スペインを代表する巨匠として知られる芸術家、ジュアン・ミロ(1893~1983年)の創作活動を、日本との関係に着目しながら紹介する回顧展が、愛知県美術館で開催されます。
多彩な芸術活動を繰り広げ、日本でも広く知られるミロですが、実はその創作活動の裏側に、日本文化への深い理解があったことはあまり知られていません。
絵画から彫刻、版画、タペストリー、陶器に至るまで、その幅広い創作活動の裏には日本文化への深い理解がありました。
浮世絵や俳句を通じて日本に憧れた初期の代表作から、民藝や書、やきものに触れた戦後の大作まで、ミロと日本の90年の歩みを辿ります
同展覧会では、浮世絵や俳句などの日本文化への憧れを象徴する初期の代表作をはじめ、民芸や書、やきものを通じて触れた日本特有の質感を反映した戦後の大作などが展示されるほか、本人のアトリエにあった日本の民芸品や、批評家の瀧口修造との交流を示す資料など、総数約140点が公開されます。
ミロと日本の深いつながりを紐解きながら、新たな角度からミロの魅力に迫る試みとなっています。
浮世絵に俳句、日本好きのミロ。
ミロが生まれた1893年のバルセロナは、その数年前の万国博覧会開催をきっかけにした日本美術ブームの真っ只中にありました。ミロの生家の近くには日本美術の輸入販売店があり、ミロが初めて個展を開いた画廊でも、ときおり日本の浮世絵や工芸品が展示されています。またミロの周囲には俳句の魅力に取り憑かれた詩人たちがいました。こうした環境で過ごしたミロが、日本への想いを募らせたのはごく自然なことでした。パリでシュルレアリスムに出会うよりも前に、ミロは日本に出会っていたのです。
画家ミロの歩みを国内外の珠玉のコレクションで辿ります。
1920年、27歳で初めてパリに滞在して以来、ミロは故郷カタルーニャの風景や生き物たちを描いた絵画をパリで発表するようになります。当時世間を騒がせていたシュルレアリスムの詩人や画家たちとも親しくなり、ミロもその一員として名が知られるようになっていきました。従来の絵画を乗り越えるためにさまざまな実験を試みたミロですが、なかでも絵画と詩が溶け合うミロならではの画面からは、東洋への眼差しも透けて見えます。スペイン内戦と第二次世界大戦という大きな時代の波に翻弄されながらも、決して制作をやめなかったミロの歩みを辿ります。
日本を夢みて…ミロ念願の来日。
戦後、ミロはますます日本の文化にのめり込んでいきます。日本のやきものの技術を学んだアルティガスのもとで陶芸に熱中し、友人たちが日本から持ち帰ってきた民芸品の数々に目を奪われ、自らも日本風の作品を作るようになりました。そして1966年、日本での大規模な回顧展開催を機にミロは念願の初来日を果たします。京都や奈良、信楽、そして名古屋と日本各地を飛び回り、世界初のミロの単行書を1940年に刊行していた詩人で美術評論家の瀧口修造との対面もようやく叶いました。若い頃から日本に憧れたミロと、世界に先駆けてミロの魅力を見出した日本、両者の関係はここからさらに深まっていくことになります。
ミロのアトリエを飾る日本の民芸品が里帰り。
ミロの制作の原点であるカタルーニャの農村モンロッチのアトリエや、晩年を過ごしたマジョルカ島のアトリエに飾られていた日本の品々は、ミロの創作意欲を大いに刺激しました。また本棚を覗けば、そこには書やはにわ、茶道、日本庭園など日本の文化にまつわる画集が数多く収められていました。友人たちから贈られたものからミロ自身が購入したものまで、貴重なミロ旧蔵資料が数十年ぶりに日本に里帰りします。
ミロとは
ジュアン・ミロJoan Miró, 1893-1983
20世紀のスペインを代表する芸術家。1893年、スペインのカタルーニャ地方の都市バルセロナに生まれる。美術学校を経て、バルセロナの前衛芸術の拠点ダルマウ画廊で作品を発表。1920年代からはパリにアトリエを借り、両親の別荘があったカタルーニャの小村モンロッチと行き来しながら制作するようになった。シュルレアリスムのグループと親しく交流しつつも、つねに故郷の風土に根ざした作品を発表していたミロだったが、スペイン内戦により故郷を追われ、第二次世界大戦で各地を転々とすることを余儀なくされた。1944年にやきものと彫刻の制作を始め、1956年には妻の故郷マジョルカ島のパルマに広いアトリエを構えて幅広いジャンルの作品を手がけた。1983年に90歳で没する。
日本民藝館で《曽我物語屏風》を鑑賞するミロ、1966年
そして愛知県美術館『ミロ展・日本を夢みて』。やたら日本との繋がり、憧れを押し出す感じがかなり強引で気持ち悪いのだが展示自体は普通に良い。回顧というより日本各地のミロ作品を色々集めた風で最上のものではないにせよ印象的な絵は幾つかありそれだけでも十分。あとグッズがとても充実◎ pic.twitter.com/OCxvdW1qJl
— ryusei koizumi (@ryukoizumi) June 15, 2022
ミロ展 日本を夢みて
会場限定オリジナルグッズが、本日オンエアの東海テレビスイッチ!で紹介されました!人気商品のゴンチャロフチョコレートやルートートバックなど、展覧会の思い出にどうぞ😉 https://t.co/lwgqWgHQZ5 pic.twitter.com/BFGnTLqBBm
— 中日新聞社文化事業部 (@chunichi_event) June 14, 2022
【来週の #日曜美術館 は…】
戦後、ピカソと並ぶ巨匠として日本で人気を誇った #ジュアン・ミロ。
その創作に大いなる影響を与えたのは日本の文化でした。
ミロは何故日本に焦がれ、惹かれたのか?その理由をひもときます。
6月19日(日)朝9時https://t.co/ygiT79ObLt pic.twitter.com/NV7s4tLB4b— NHK びじゅつ委員長 (@nhk_bijutsu) June 12, 2022
ミロ展 概要
名称 | ミロ展--日本を夢みて(ミロてん にほんをゆめみて) |
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所在地 | 〒461 – 8525 愛知県名古屋市東区東桜1-13-2(愛知芸術文化センター10階) |
開催期間 | 2022年4月29日~7月3日 10:00~18:00、金曜/~20:00(いずれも入館は閉館30分前まで) ※休館日は毎週月曜 |
開催場所 | 名古屋市 愛知県美術館 |
交通アクセス | 地下鉄東山線または地下鉄名城線「栄駅」から徒歩3分、または名鉄瀬戸線「栄町駅」から徒歩3分 |
主催 | 愛知県美術館、中日新聞社、東海テレビ放送 |
料金 | 一般1800円、大学・高校生1200円、中学生以下無料 |
問合せ先 | 愛知県美術館 052-971-5511 (代表) |
ホームページ | https://miro2022.jp/ |
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